いよいよ10月1日から消費税が10%に引き上げられます。今回の増税は軽減税率も導入されるのでややこしそうですね。
フリーランスデザイナーとしては、いつの請求から消費税率10%を適用すればいいのか迷うところです。消費税率が5%になった時はどうだったかしら? 念のため税務署に確認してみました。
目次
消費税発生のタイミングはいつ?
消費税が発生するのは「商品の引き渡しや役務の提供が行われた時」となるので、デザインの請負なら「納品日」がそれにあたると思います。9月30日以前に受注した場合でも、納品が10月1日以降なら消費税率は10%となります。
フリーランスだと納品書を発行していない場合もあるかと思いますが、その場合は実態に即して判断するとのことでした。
ただ、どのタイミングを「納品日」とするかは、あらかじめクライアントと認識を合わせておく必要があるかもしれません。例えば、印刷物等の成果物を引き渡した時、データをサーバにアップロードした時、検収が完了した時などなど……
増税前に着手金や前金で支払われる場合は?
案件によっては、受注時に着手金をいただく場合や、全額前払いの案件もあるかと思います。9月30日以前に着手金や前金をいただいた場合でも、消費税発生のタイミングは「納品日」です。請求日が9月30日以前でも納品が10月1日以降なら消費税率は10%となります。
今回、話を伺った税務署の担当者によると、発注側、受注側、お互いの合意があったとしても、法律上ではあくまでも「商品の引き渡しや役務の提供が行われた時」に消費税が発生するということでした。気になる方は、税理士さんや管轄の税務署に確認してくださいね。
長期案件の場合は8%で請求可能?
デザイン案件ではあまりないかもしれませんが、システム開発が絡む場合などは納品までに長期間かかる案件もあるでしょう。2019年3月31日までに締結した契約については、10月1日以降の納品であっても消費税率8%で請求することができる経過措置があります。個別の案件について実際に経過措置を適用できるかどうか、念のため税務署に確認することをおすすめします。
(追記)下請で9月に納品済、元請がクライアントに納品するのは10月以降の場合
フリーランスの場合、制作会社などからの下請けという案件もあるでしょう。自分は元請けに9月中に納品済でも元請が最終的にクライアントに納品するのは10月以降。この場合、自分が元請に請求する際の消費税は8%です。
ただし、元請けから10%で請求してOKと言われた場合は10%で請求して大丈夫だそうです。元請けが仕入税額控除を10%にしている場合とかいろいろあるようです。元請けの指示通り10%で請求しても法律上問題はないとのことでした。他の質問とは別の日ですがこの質問も税務署に確認しました。
まとめ
- 消費税は商品の引き渡しや役務の提供が行われた時の税率が適用される
- 契約、受注、請求、支払が増税前であっても「商品の引き渡しや役務の提供」が増税後なら消費税は10%
- 2019年3月31日までに締結した契約については経過措置あり
- (追記)下請案件の場合、基本は元請への納品日(元請と要相談)
ネットでは個別の問題は解決しない場合があります。不安や不明点がある場合は、早めに管轄の税務署や税理士に確認しましょう。
今回は税務署に電話で問い合わせてしまいましたが、調べるとネットでも参考になるサイトが結構ありました。
個人的にわかりやすかったのは、弥生の「消費税改正あんしんガイド」で、特に「Q&A」は知りたいことが纏まっていてよかったです。さすが会計ソフトの老舗の会社ですね。軽減税率の解説もあるので一読しておくと良いかもしれません。