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取引先にマイナンバーを提出しましたよ

マイナンバーカードのイメージ画像

いよいよマイナンバー(個人番号)制度が導入され始めましたね。

マイナンバーは、社会保障、税、災害対策の手続のために、国や地方公共団体、勤務先、金融機関、年金・医療保険者などに提出するものです。

フリーランスでも報酬から源泉徴収されていて、取引先が税務署に法定調書(支払調書)を提出する場合は(法定調書にマイナンバーを記入する必要があるため)、取引先にマイナンバーを提出することになります。

私のところにも「個人番号届出書」が送られてきました。

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個人番号届出書を提出

今回マイナンバーを提出した取引先からは、事前にメールでマイナンバーの使用目的(支払調書の作成のみに使用)と、具体的にどのように管理するのか(金庫でとか)、誰が責任者なのかという説明があり、後日、個人番号届出書が郵送されてきました。

郵送されてきた書類によると、個人番号届出書にマイナンバー、住所、氏名を記入して、マイナンバーカード(個人番号カード)または通知カードと身分証明書(本人確認書類)のコピーを添付して書留等で郵送、もしくは持参するとのことでした。

個人番号台帳兼届出書の画像

個人番号台帳兼届出書の見本(控えのため個人的にコピ−したもの)。実際は1枚の表裏です。

マイナンバーカード(個人番号カード)を提示する場合は、マイナンバーカードが身分証明も兼ねるので本人確認書類は不要です。マイナンバーカードを発行していない場合は、通知カード、マイナンバー記載の住民票記載事項証明書、マイナンバー記載の住民票の写しのいずれかと身分証明書が必要になります。

対面で本人確認する場合は、マイナンバーカードや通知カード、身分証明書は原本を提示するとのこと。原本を提示した際にコピーをとられる場合もあるかもしれません。

マイナンバーは、その番号だけでは各種手続には使えず、本人確認とセットで初めて効力があるので、もしマイナンバーが漏洩してもすぐに被害があるわけではなさそうです。

しかし、マイナンバーと一緒に身分証明書のコピーを保管されるとなると、万が一漏洩するときもセットで漏洩するわけですから、その場合は不安になってしまいますね。本人確認書類のコピー提出は必要なのでしょうか?

本人確認書類のコピー添付は本当に必要?

内閣官房のマイナンバー「よくある質問」の「民間事業者における取扱いに関する質問」によると、対面確認の場合は「提示」のみでOKなのでコピー提出は必要ありません。

Q4-3-5 マイナンバー(個人番号)を取得する際に、本人確認書類の写しの提出を受ける必要がありますか。

A4-3-5 対面で本人確認を行う場合は、本人確認書類の「提示」を受けることが原則です。 したがって、講演料の支払先等に対し本人確認書類の写しを求める必要はありません(マイナンバー法第16条、マイナンバー法施行令第12条)。
一方で、郵送で本人確認を行う場合は、本人確認書類の写しの「提出」を受ける必要があります(マイナンバー法施行規則第11条)。(2016年4月回答)

回答が2016年4月とありますが、それ以前は「提示」の際にコピー提出が必要ないことは明示的に書かれてなかったような気がします(多分)……。マイナンバーに関して各省庁が出しているQ&Aは、随時新しい情報に更新されているようです。

また、郵送での本人確認などでコピーの提出を受けた場合、その保管について以前は「保管可能」と回答されていましたが、

Q4-3-7 番号法上の本人確認の措置を実施する際に提示を受けた本人確認書類(マイナンバーカード、通知カード、身元確認書類等)をコピーして、それを事業所内に保管することはできますか。

A4-3-7 番号法上の本人確認の措置を実施するにあたり、マイナンバーカード等の本人確認書類のコピーを保管する法令上の義務はありませんが、本人確認の記録を残すためにコピーを保管することはできます。なお、コピーを保管する場合には、安全管理措置を適切に講ずる必要があります。(2015年9月回答)

この回答は更新され、現在では「速やかに廃棄」とされています。

Q4-3-10 マイナンバー法上の本人確認の措置を実施する際に提示を受けた本人確認書類(マイナンバーカード、通知カード、身元確認書類等)をコピーして、それを事業所内に保管することはできますか。

A4-3-10 マイナンバーの確認の際に、本人確認書類のコピーの提出を受けた場合、必要な手続を行った後に本人確認書類が不要となった段階で速やかに廃棄しましょう。(2016年4月回答)

私が提出したのは2016年の3月以前だったので、はじめは、対面or郵送に関わらずコピー提出を指示されました。その際マイナンバーを提出する会社に確認したところ、本人の意思が尊重されるので、本人が嫌なら対面確認の場合に限りコピーはとらなくてもOKということになりました。

上記の内閣官房の回答が変更されたことによって、正式に本人確認書類のコピー保管は必要なくなりましたね。この変更を知らない会社もあるかもしれませんので、提出する側が把握しておいたほうがいいかもしれません。

距離の問題等でどうしても対面確認ができない場合は、コピーを郵送することになります。郵送する場合は、簡易書留等の追跡可能な方法で送るのが安心です。

マイナンバーの提出は義務なの?

フリーランスから源泉徴収をしている法人および個人事業主は、法定調書(支払調書)にマイナンバーを記載する義務がありますが、マイナンバーを提出する側には提出義務はありません。フリーランスは取引先へのマイナンバーの提出を拒否することはできるのでしょうか? 

まず、マイナンバーの提供を拒まれた取引先の立場からみてみます。

前述の内閣官房の「よくある質問」によると、

Q4-2-6 税や社会保障の関係書類へのマイナンバーの記載にあたり、事業者は従業員等からマイナンバーを取得する必要がありますが、その際、従業員等がマイナンバーの提供を拒んだ場合、どうすればいいですか。

A4-2-6 社会保障や税の決められた書類にマイナンバーを記載することは、法令で定められた義務であることを周知し、提供を求めてください。 それでも提供を受けられないときは、書類の提出先の機関の指示に従ってください。(2015年9月回答)

(以下略)

と、なっています。
国税庁の「法定調書に関するFAQ」では、

Q1-2 従業員や講演料等の支払先等からマイナンバー(個人番号)の提供を受けられない場合、どのように対応すればよいですか。

(答)

法定調書の作成などに際し、従業員等からマイナンバー(個人番号)の提供を受けられない場合でも、安易に法定調書等にマイナンバー(個人番号)を記載しないで税務署等に書類を提出せず、従業員等に対してマイナンバー(個人番号)の記載は、法律(国税通則法、所得税法等)で定められた義務であることを伝え、提供を求めてください。

それでもなお、提供を受けられない場合は、提供を求めた経過等を記録、保存するなどし、単なる義務違反でないことを明確にしておいてください。

(以下略)

取引先側は、フリーランスからマイナンバーの提供を受けられなかったとしても、その経緯を記録、保存し、義務違反でない証拠を残しておけば大丈夫のようです。

逆に、フリーランスの立場から見ると、マイナンバーを提供できない旨を文書等で取引先に通知すれば提出しなくて済むような気がします。とはいえ事前に取引先への相談は必要だと思います。

フリーランスの場合、マイナンバーの提出を拒んでも良好な取引が続けられるかどうかが重要なので、取引先との関係も踏まえて判断することになるのではないでしょうか。

マイナンバーを安全に取得・保管する方法は?

マイナンバーをメールで送れるか?

ちょっと話がそれますが、マイナンバーを取得する側の方へ。情報漏洩を防ぐためにもマイナンバーをメールに直接記載させて提出させるというのは止めた方がいいと思います。管理がしっかりしていない会社のように見えて、提出側は不安に思ってしまいます。

どうしてもメールで提出させる場合は、マイナンバーを記載したテキストファイルにパスワードをかけて添付し、パスワードは別のメールで通知してもらうようにしてください。もちろんメールサーバは暗号化すること、マイナンバーを確認した後は確実にメールを破棄すること、パソコンもマイナンバー管理者専用にしてロックをかけ他の用途に使用しないなど、情報漏洩を防ぐための対策をすることが必要です。ウイルス対策も当然必要です。

素人がパソコン上で管理しようとすると意外と大変なんですよね。マイナンバー管理のサービスを利用するというのも1つの手だと思います。

アナログ管理なら安全?

アナログでの管理なら、個人番号届出書などマイナンバーを取得・保管するための書類一式が市販されているので、そういう市販の書類を使うのもいいと思います。保管するマイナンバーが少なければ、書類にマイナンバー等を記載してもらい、金庫に保管というアナログな方法ならコストもかからなそうですし。

もちろん保管する金庫や戸棚は鍵付きで、鍵そのものも専任の管理者しか使えないように保管する必要があります。金庫ごと持ち出しできてしまうようなら、金庫自体を鍵付きの(移動できない)戸棚に保管することも検討したほうがいいですね。

ちなみに、私宛に取引先から届いたのは、以下で紹介している個人番号届出書でした。記入方法の説明もついているし郵送してもらう際の返信用封筒もついているので、書類を自分で作る必要がなくて便利そうでした。

「個人番号及び特定個人情報の取扱いについて」という、マイナンバーの使用目的や取扱いを通知する文書もついてます。もちろん実際に管理される方がこの通りに取扱ってくれるというのが大前提ですが、書類がしっかりしているだけで信頼できそうな気がしてくるものです。

いずれにしても、マイナンバーの管理方法や、漏洩しないための対策をしていることを具体的に説明して、安心して提出してもらうことが大切ですね。

もしマイナンバーが漏洩したら

当面は、社会保障、税、災害対策の手続のためにしか利用できないマイナンバーですが、将来的には銀行口座や病院のカルテなどの個人情報にひも付けされる可能性もありそうです。マイナンバーは一生変わらないものなので、本人が知らないうちに流出してしまうと、あらゆる個人情報とひも付けられて、悪用もされかねません。

マイナンバーは基本的に変更できませんが、漏洩し悪用の恐れがある場合のみ、マイナンバーの変更が認められるようです。ただし、漏洩したかどうか、またそれが悪用の可能性があるかどうかを証明するのは難しそうなので、そうそう簡単には変更できないものと考えたほうが良さそうです。もしマイナンバーが変更できたとしても、いろいろなところへの届け出もやり直すことになり非常に面倒なことになりますね。

ひとりひとりに割り振られたマイナンバーのイメージ

マイナンバーは基本的に一生同じ番号です

企業から従業員などのマイナンバーが流出した場合は、厳しい罰則があります。故意でない場合はいきなり刑事罰とはならないようですが、民事の損害賠償の可能性はあるでしょうし、企業の信用問題としても大きなダメージを受けることになります。

もちろん自分でも個人番号カードや通知カードは鍵のかかる場所などに保管して、むやみに持ち出したり他人に教えたりしないことが重要です。

自分でも管理・監視をしっかりと

また、平成29年1月からは、マイナポータルが利用できるようになります。マイナポータルとは、自分のマイナンバーやそれに紐づいた個人情報を行政機関がやり取りした記録や、自分への通知などをパソコンや携帯端末を利用して閲覧できる仕組みです。

自分の知らないところでマイナンバーが使われていないか、自分自身でも監視していかなければなりませんね。

いまのところ、とっても面倒で不安ばかりのマイナンバーですが、きちんと運用されればメリットも少なくないはずです。マイナンバー制度が始まってよかったと思えるように安全に運用されるといいですね。

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