国立新美術館で12月12日(月)まで開催中のダリ展。会期終了間際にやっと行くことが出来ました!
オンラインチケットで前売は購入していたのですが、なかなかタイミングが合わず、こんな時期になってしまいました。終了間際なので混雑しているだろうな〜と思って午前中に行ったのですが、入場規制はなかったものの、平日の午前中にしては会場内は結構混んでいたと思います。終了日とその前の土日は入場規制があるかもしれませんね〜。時間に余裕を持って行かれることをおすすめします。
目次
平日11時。券売所も入場口にも列はなし
会場に到着したのは、午前11時頃だったと思います。意外にもチケット窓口に列はありませんでした。展示室入り口にも入場待ちの列はなく、スムーズに入場。平日の午前中だからなのか、大混雑を予想していたのでちょっと拍子抜け。ちなみに上の写真は13時半頃でしたが、この時間でもチケット窓口、展示室入口とも列はありませんでした。
オンラインチケットで入場
前もってオンラインチケットで前売り券を購入していましたので、会場入口でスマホの画面に表示してQRコードを読み取ってもらい入場します。
今朝、家を出るときに急いでいたためスマホの充電が十分でなく、会場に着いたときには残りの電池量が10%くらいになっていました。電池がなくなりチケットを表示できなければ入場できないのでヒヤヒヤしましたが、なんとか無事に入場。
ちなみに、会場内は撮影コーナー以外は撮影禁止でした。
入場時に紙チケットの半券を貰えました。オンラインチケットでは、記念に半券を保存しておくのは無理なのかなと思っていましたが、これなら半券コレクターの方でも安心ですね。そういえば「俺たちの国芳 わたしの国貞展」でも、オンラインチケットで入場した際に半券を貰っていたことを思い出しました。
音声ガイドは竹中直人さん
最近は展覧会ではほぼ必ず音声ガイドをレンタルすることにしています。竹中さんの渋い声とナレーションの巧さ、BGMで楽しめます。
実はうっかり眼鏡を忘れてしまったので、作品の横に書かれているキャプションを読むのには苦労しました。音声ガイドでも作品の解説はしてくれていますが、どちらかというと当時のダリの生活の様子とか裏話的なエピソードが多いので、作品についてはキャプションも併せて読んだ方が理解が深まるように思います。
上の画像は音声ガイドを借りたときに貰えるリストです。メモ書きしちゃってますが。国立新美術館ではわかりませんが、美術館では展示品にインクが飛ぶのをさけるためペンの使用を禁止している場合がありますので、筆記具を持参する場合は鉛筆のほうが無難かもしれませんね。ちなみに鉛筆は展示室の監視員の方に言えば借りることができます。
膨大な展示数。所要時間は2時間〜?
展示は時代ごとに初期から順を追って観ていく形になっています。思ったよりは混雑していない印象でしたが、とにかく展示作品数が多いので、映像作品まで観るとすると2時間は予定しておいたほうが良さそうです。さらに、グッズや撮影コーナーも考えると3時間くらいかかってもおかしくないと思います。
「第3章 シュルレアリスム時代」のコーナーは有名な作品が多いためか、2重3重の人だかりになっている作品もありました。作品自体が小さいサイズのものが多く、みなさん近づいて観ようとするために進みが遅くなってしまうのかもしれませんね。
シュルレアリスム時代の作品では「皿のない二つの目玉焼きを背に乗せ、ポルトガルパンのかけらを犯そうとしている平凡なフランスパン」「奇妙なものたち」「引き出しのあるミロのビーナス」が印象に残りました。
「奇妙なものたち」はポストカードも購入しました。同時代の作品では「オーケストラの皮を持った3人の若いシュルレアリストの女たち」も。「オーケストラの皮〜」のほうは、色使いが好みだったので手元に置いておきたくなったのでした。
「奇妙なものたち」は音声ガイドでも、反復の技法を使って幻想と調和を生み出していると解説がありましたが、ダリは同じ形態を繰り返す技法を「形態学的なこだま」と呼んで、他の作品でも好んで使っていたようです。確かに、女性の太ももあたりと赤い建物の入り口のモフモフした毛のような部分や、白い椅子の左の肘掛と女性の右腕の形など、別の意味を持つモチーフに同じ形態が繰り返されています。
映像作品「アンダルシヤの犬」もみました。衝撃的な内容を含むので気分が悪くなる方もいるそうですが、女性の目をカミソリで切り裂くシーンには、私も目を瞑ってしまいました。ストーリーというものはなく、夢の世界のような断片的なイメージの連続です。上映室は椅子がありましたが、すわれるのは20人くらいでしょうか。立ち見の人も多かったです。
他に「白い恐怖」「デスティーノ」「黄金時代」が上映されていたのですが、時間の都合でこれらは見ませんでした。「白い恐怖」は、イングリッド・バーグマンとグレゴリー・ペック主演のヒッチコック監督作品です。主人公が見る「夢の場面」をダリが構成しているそうです。「デスティーノ」はディスニーとの幻のコラボ作品とのことで、こちらは観ておけばよかったですね。
1945年、広島・長崎への原爆投下に衝撃を受けたダリは原子力に興味を持ち、新しい原子物理学と伝統的な宗教絵画を結びつけ、核の時代における芸術を模索していたそうです。「第7章 原子力時代の芸術」のコーナーで、強烈な印象を受けたのは「ウラニウムと原子による憂鬱な牧歌」でした。画面中央の顔のような部分にエノラ・ゲイが描かれていて、原爆の恐怖に支配される世界が描かれているのだそうです。
原子物理学に興味を持ったダリは、浮遊する物体を描くことで宇宙の成り立ちを表現しようとしたようです。「素早く動いている静物」は、その代表作といえるでしょう。静物が動いていること自体矛盾していますが、それがおもしろいですよね。それぞれのモチーフはバラバラに描かれているように見えますが、実際には、黄金分割による計算されたシステムの座標軸上に描かれているのだそうです。「形態学的なこだま」もそうですが、一見、無秩序に見えても、ちゃんと基本をおさえて美しくみえるように設計されているのですね。
第二次世界大戦後、ダリと妻のガラはカダケスの近くのポルト・リガトという小さな漁村に居を構えます。「ポルト・リガトの聖母」は、ポルト・リガトの美しい海を背景に聖母マリアを描いていますが、聖母のモデルはガラです。ガラの表情が穏やかで優しく、ダリがガラをどんなに愛していたか現れています。ここに描かれているすべての物体が、どれもお互いに接触していないのは、浮遊した素粒子が一定の距離を保つという原子物理学の理論に基づいているからだそうです。
書籍の表紙、挿画、立体物やジュエリーなども展示されていて、ダリがあらゆる方面で才能を発揮していたことがうかがえました。絵本の挿画「不思議の国のアリス」もおもしろかったです。アリスが縄跳びしているのも不思議ですし、そもそも主人公のアリスが全然目立ってないのもおもしろい。鮮やかな色彩とにじみやぼかしを多用した勢いのある筆致で、少しの不気味さの中に、迫力とワクワク感がある作品でした。子供の絵本という印象ではなく、とてもおしゃれだと思いました。
グッズと撮影コーナーはチケットなしでも
充実のグッズコーナー
図録や展示会オリジナルのポストカードやクリアファイルは定番ですが、海外でしか販売されていない(とPOPに書いてあったような?)グッズも揃っていました。Tシャツ、トートバッグ、大判ハンカチ、スカーフ、ネクタイ、メモ帳、タロットカード、ワインやオリーブオイル、香水などなど。
どれもデザインが素敵で、ハンカチやトートバッグ、Tシャツは普段使いしてもおしゃれだと思います。おもしろいな〜と思ったのは、ダリの作品に象徴的に登場する時計のようにぐにゃりと曲がった置き時計や、「メイ・ウエストの唇ソファ」のアンチストレス(握ってストレス解放するグッズ)ですかね。タロットカードも素敵でした。
私が購入したのは、ポストカード4枚とクアトロえびチーズ、ガチャガチャのピンバッチです。図録はやっぱり厚くて重くて(笑)今回は諦めました。通販なら会期終了後も売り切れるまでは販売すると思うので、欲しくなったら通販で購入します。
300円のダリ紙幣で回すガチャガチャで出たピンバッチは「奇妙なものたち」の時計でした。ガチャガチャの装置がもっと大きいのかと思っていたけど意外とコンパクトでしたね〜。
クアトロえびチーズは「志満秀」の商品のようです。
えびせんに「DALI」ロゴの印刷がしてあるのは「ダリ展」のグッズならでは。
チーズが挟んであって、4種類の味です。
- イエロー:カマンベール&ブラックペッパー
- グリーン:モツァレラ&バジル
- ブルー:ゴンゴンゾーラ&ハニー
- ピンク:チェダー&パルメジャーノ
どれも美味しかったけど、私はピンクのチェダー&パルメジャーノが一番好みでした。いつもはゴンゴンゾーラは苦手なのですが、このゴンゴンゾーラ&ハニーは(若干癖はありますが)全然大丈夫でした。
一応、原材料の画像を貼っておきますね。
撮影コーナー「メイ・ウエストの部屋」
撮影コーナーは20分くらい並びました。横からの撮影でいい場合は待ち時間なしで撮れるようでしたが、正面から撮影したい場合は並んで順番を待ちます。角度を変えてみると女優メイ・ウエストの顔になるという部屋ですが、唇のインパクトが凄いですね(笑)
正面からと鏡越しからと2パターン撮影している方が多かったです。鏡越しの撮影だと前髪とサイドの髪も入りますが、自分が映り込んでしまうのでちょっと残念な気も(笑)もちろん記念にはなりますね。
グッズ販売と撮影コーナーはチケットがなくても入場できますので、他の展示会で立ち寄った際にでも足を運んでみてはいかがでしょうか……といっても12日までなので、あと数日で会期終了になってしまいますが。
ダリ展で購入したものまとめ
- 前売オンラインチケット 1,400円
- 音声ガイド 550円
- ポストカード 150円×4枚
- クワトロえびチーズ 1,200円
- ガチャ(ピンバッチ) 300円
ダリ展(東京展)
- 会期
- 2016年9月14日(水)~12月12日(月)
- 毎週火曜日休館
- 開館時間
- 午前10時~午後6時 毎週金曜日は午後8時まで
- ※ただし、10月21日(金)、10月22日(土)は午後10時まで
- (入場は閉館の30分前まで)
- 会場
- 国立新美術館 企画展示室2E
- 〒106-8558 東京都港区六本木7-22-2
- 公式サイト
ダリ展- 国立新美術館